円安155円台が映す“揺らぐ足元”と旅のまなざし

湯布院の宿から見つめる円安のニュース
ドル円が155円台に達し、ユーロ円も過去最高値を更新したという報道に触れました。米政府機関の一部閉鎖が解除へ向かう期待、政策金利の差、そして日本の財政姿勢への不安——幾つもの要因が重なる中で、円が売られやすい地合いが続いているように感じます。
宿を営む立場として、このニュースに向き合うとき、数字の変化よりも「暮らしの手触りに近づいてくる揺らぎ」を強く意識します。物価の上昇は旅の計画にも、おもてなしの準備にも影響を与え、人の気持ちの動きにもそっと影を落とすからです。
おもてなしと社会のつながり
為替という大きな流れは、一見すると日々の宿運営とは遠い話のように思えます。けれど実際には、材料費の変動や光熱費の上昇、さらには旅に出かける人の心理にまで届き、静かに作用しています。
ZAKUROが大切にしているのは「人・自然・時間」という三つのまなざしです。
円安が進む背景には、日本の金利の低さや政策の方向性があると報じられていますが、もう少し近いところを見ると、人々の暮らしに積み重なる“負荷”が見えてきます。
旅は本来、日常からほんの少し離れ、呼吸を整えるためのものです。しかし、物価の上昇や不安定な経済環境が続くと、人は旅に出る余裕を持ちにくくなります。
それでも、どんな社会の流れの中にあっても「小さな安らぎを贈る場所」でありたい——その思いがより確かな形を帯びてくるのです。
湯布院という土地から見える現実
山の稜線を越えて吹く冷たい風が季節を変えるように、経済の風向きもまた、日々の生活に少しずつ変化を連れてきます。
湯布院では、地元の生産者さんと手を取り合って宿を営んでいますが、円安の影響で輸入品の価格が上がると、そのしわ寄せは小さな町にも届きます。餌代が上がったと嘆く畜産農家の声、資材費が思うように抑えられない建築業者の話、そして観光客が「旅の予算を見直しています」と口にする瞬間。
宿の現場では、スタッフ一人ひとりがお客様に喜んでいただけるよう日々の工夫を重ねていますが、経済の波はそんな努力の上にそっと降り積もっていきます。ただ、その波に飲まれるのではなく、どう寄り添い、どうしなやかに受け止めるか——湯布院という土地は、その姿勢をいつも私たちに問いかけてきます。
心を整えるということ
為替の動きは人の力ではどうにもならないものですが、その変化にどう向き合うかは、ひとりひとりの内側にあります。
旅は、社会の揺らぎを一度そっと脇に置き、自分の心に澄んだ時間を取り戻すための行為です。喧騒から離れ、湯の香りに包まれ、静かな山の気配に耳を澄ませると、外の世界の騒がしさが少し遠くへ退いていく——そんな瞬間が、人生には確かに必要だと思うのです。
進む円安
円安が進み、暮らしが不確かさを帯びる時代だからこそ、旅の価値はより深くなります。“誰かを想う気持ちを確かめる時間”や“自分の心を静かに見つめ直す時間”は、お金では測れません。
変わりゆく社会の中で、変わらずにあるもの。その一つが、旅が人にもたらすあたたかな力であってほしい——そう願いながら、今日も湯布院の灯りをともしています。
Yufuin Luxury Villa – zakuro –
湯布院の静寂と、特別なひとときを
由布岳を望む三つのプライベートヴィラ──
Yufuin Luxury Villa – zakuro – は、
一日わずか三組だけが出会える、
静けさと贅沢が調和した大人の隠れ家です。
記念日やプロポーズ、夫婦水入らずの時間。
そして、忙しい日常を離れ、
心から寛ぎたい女性旅にも。
自家源泉かけ流しの温泉、四季を映す庭、
地元食材の朝食。
「二人だけの特別な湯布院」を約束します。
(時間 8:30–10:00・早朝出発はご相談可)
