和菓子店の無断キャンセルに見る約束の重み|湯布院ZAKURO

ニュースを見て感じたこと
東京・銀座で創業103年の老舗和菓子屋「木挽町よしや」が、訪日外国人による無断キャンセルに悩まされているというニュースを目にしました。
X(旧Twitter)での投稿には、「予約のほとんどが無断キャンセルで取りに来ない」とあり、小さな店で手作業で製造するからこその苦労がにじんでいました。
“訪れる人を思って、ひとつひとつ作る”。
その姿勢が、守られない約束によって報われない——。
どれほどの無力感が積もっていくのか、胸が痛みました。
おもてなしと社会のつながり
「おもてなし」とは、相手が見えないところでこそ、丁寧に準備されるものです。
それは宿でも、料理屋でも、そして和菓子屋でも変わりません。
時間をかけ、技術を尽くし、心を込める。それが“もてなす”という営みの本質です。
しかし、無断キャンセルは、そうした心のこもった営みを一方的に断ち切ってしまいます。
和菓子は工業製品ではなく、人の手で生まれる「生き物」です。
消費期限が短く、余れば廃棄されることもあるという現実は、環境負荷や経営の持続性にも直結します。
ZAKUROでは、旅人を迎えるとき、ひとつとして同じ時間がないことを大切にしています。
今日という日の、今日だけの「おもてなし」があるのです。
その準備は、どこかで誰かが、静かに心を動かしている証でもあります。
湯布院という土地から見える現実
湯布院でも、インバウンド客が急増した近年、「キャンセル」にまつわる悩みは少なくありません。
とくに予約時にカード登録のない“ノーショー”は、地方の小さな宿にとって大きな打撃になります。
しかし、だからといって「外国人お断り」にするのは、ZAKUROの哲学に反します。
過去には、到着が遅れてしまいながらも深々と頭を下げて「本当に楽しみにしていたんです」と言ってくださったお客様もいらっしゃいました。
文化や言葉の違い、タイムゾーンの感覚のズレ。そうした背景を想像することも、おもてなしの一部だと思っています。
キャンセルに困ることもある。でも、それを超えて「また来たい」と思ってもらえる関係を築くことの方が、ずっと大切です。
木挽町よしやの三代目が、「全員が悪いわけではない」と言い切る姿にも、同じ思いを感じました。
心を整えるということ
約束とは、時間を交わすこと。
「何日の、何時に、ここで会いましょう」と決めるその瞬間から、心の中に誰かが住みはじめます。
ZAKUROもまた、「誰かを想う」ことで成り立っています。
誕生日に、結婚記念日に、人生の節目に。
「一緒に過ごす時間を大切にしたい」と願う誰かの気持ちに寄り添う場所です。
もし、今回のような出来事があったとしても、
それが「相手の心を想像するきっかけ」になれば。
文化が交わる場面でこそ、おもてなしの本質が問われるのかもしれません。
誰かを迎えるということは、必ずしも楽ではありません。
それでも、手間を惜しまず心を込めることを選ぶ。
その姿勢が、人と人との間に静かな温もりを残していくのだと思います。
Yufuin Luxury Villa – zakuro –
湯布院の静寂と、特別なひとときを
由布岳を望む三つのプライベートヴィラ──
Yufuin Luxury Villa – zakuro – は、
一日わずか三組だけが出会える、
静けさと贅沢が調和した大人の隠れ家です。
記念日やプロポーズ、夫婦水入らずの時間。
そして、忙しい日常を離れ、
心から寛ぎたい女性旅にも。
自家源泉かけ流しの温泉、四季を映す庭、
地元食材の朝食。
「二人だけの特別な湯布院」を約束します。
(時間 8:30–10:00・早朝出発はご相談可)
