ゼクシィ縁結び終了に想う「縁」と「宿」｜湯布院ZAKURO

縁をつなぐ場が、静かにその役目を終える

「ゼクシィ縁結び」「ゼクシィ縁結びエージェント」が、2026年をもってサービスを終了するとリクルートが発表しました。
結婚を真剣に考える多くの方々をつないできたこのサービスが、約10年の歴史に幕を下ろすということ。
事業環境の変化や利用状況を踏まえての判断とのことですが、その“お知らせ”の一文に、少し静かな寂しさを覚えました。

私たちZAKUROも、日々、宿という場所で「ご縁」の瞬間を目にしています。
プロポーズ旅行、結婚記念日、入籍祝い…。
形は違えど、人生の節目に宿を選んでくださるおふたりにとって、「その時間」がどれほどかけがえのないものかを知っています。

“出会う”ということの本質

人と人が出会い、惹かれ合い、やがて同じ景色を見ようとする。
その営みは昔も今も変わりませんが、方法は時代とともに変化してきました。
街角の偶然から、友人の紹介、そして今ではスマホの画面の中にも、縁を結ぶ糸はあります。

婚活サービスが終了するというニュースは、単なる“事業撤退”ではなく、「人と人がつながる手段」がまたひとつ、姿を変える節目なのかもしれません。
でも、たとえ手段が変わっても、出会いを願う気持ち、人と人の間に生まれるあたたかいものは、きっとこれからも変わらないはずです。

湯布院で生まれる、新しい物語

ZAKUROでは、記念日旅行としてのご滞在がとても多くあります。
プロポーズのご相談を受けて、季節の花をあしらったサプライズ演出をお手伝いすることも。
結婚記念日の朝、静かに手を取り合うおふたりに、特別な朝食をご用意することもあります。

その一瞬一瞬が、誰かの「人生のページ」として綴られていく。
宿はただ泊まる場所ではなく、“想いを確かめる場所”として機能しているのだと、日々実感しています。

だからこそ、マッチングアプリや婚活サービスが担ってきた役割が変わる今、
私たち宿側にも「縁を支える」という視点が、ますます求められるのではないかと思うのです。

大切な人と向き合う、静かな時間

便利な機能や効率のよい出会いも大切です。
けれど、心を通わせるには、どうしても“時間”が必要です。
それも、慌ただしい日常ではなく、「ふたりだけの時間」が。

湯布院の夜は静かで、山に囲まれた空気はどこか優しく、
肩の力を抜いて話せる空間があります。
記念日でなくても、日常の中にある「何でもない特別」を感じていただけたら。
そんな想いで、私たちは今日もこの宿を整えています。

“ゼクシィ縁結び”が担ってきた「つなぐ役目」を、これからは私たちが受け取っていくような気持ちで。
おふたりの節目に、そっと寄り添える宿でありたいと願っています。