
京都離れと奈良の逆襲に見る旅の価値|ZAKURO
静かすぎる夜に、何を思うか
「京都から日本人が消えている」。
観光都市・京都で、いまそんな異変が起きているそうです。紅葉の名所には連日多くの観光客が訪れていますが、その9割が外国人とのこと。日本人の“京都離れ”が進んでいるのです。
その一方、これまで「泊まれない都市」と呼ばれてきた奈良が、観光地として注目を集めています。新たな高級ホテルが次々とオープンし、宿泊者数は過去最多に。ところが、日が暮れると街は静まり返り、「夜が早すぎる」という声も。
この現象を見て、ふと湯布院のことを思いました。
ZAKUROにご宿泊されるお客様の約9割は、以前から日本の方々です。
「静かに泊まれる宿を探していた」「人に勧められて来たけど、本当に落ち着けた」とのお声をいただくことが多く、喧騒とは距離を置いた旅を望まれる方が多いように感じています。
もちろん、時折いらっしゃる海外のお客様もいらっしゃいます。
みなさま品のある素敵な方ばかりで、湯布院の空気や宿のたたずまいに深く共鳴してくださっているのが印象的です。
“賑わい”の先にあるもの
旅行アナリストの鳥海高太朗氏によると、日本人の京都離れの背景には「静かに、ゆったり見たい」という希望が叶わない現実があるといいます。
満員のバス、混雑する名所、慌ただしい時間。日本人が求めているのは、にぎやかさよりも“落ち着いた非日常”なのかもしれません。
ZAKUROを訪れる方々も、口々に「何もしない時間が心地よい」とおっしゃいます。
それは、ただ観光地を巡ることでは得られない、“自分の心に戻る旅”を望んでいるからなのだと感じます。
にぎわう京都から一歩引いて、奈良や湯布院のような「静けさのある土地」に目を向ける人が増えているのは、旅の目的が変わってきている証ではないでしょうか。
夜が早いことは、悪いこと?
奈良では「夜が早すぎる」と不満の声も上がっているようです。午後6時を過ぎると店が閉まり、観光客は戸惑いながら町を歩いているとのこと。
けれど、その夜の静けさを、マイナスに捉える必要はないのかもしれません。
湯布院もまた、夜は静まり返る町です。
ZAKUROの客室から見えるのは、灯りの少ない山の稜線と、季節の風の音。
にぎわいが少ないことを残念がる方はほとんどおらず、むしろ「この静けさがありがたい」と言われることが多いのです。
“楽しませること”も大切ですが、“何も起きない”を体験できる場所が、いまの時代には必要なのではないでしょうか。
本当に戻りたい場所とは
旅先に求めるものは、人によって違います。
けれど共通しているのは、「自分を取り戻す」ための時間を探しているということ。
にぎやかな都市の、行列に並ぶ体験もいい。
でも、その対極にある“何もしない贅沢”もまた、人の心にしっかりと沁みていきます。
京都でも奈良でも、湯布院でも、
本当の意味で「戻ってきたい」と思える場所は、派手な観光ではなく、静かな安心感を与えてくれるところなのかもしれません。
ZAKUROでは、今日も変わらず、四季の移ろいに寄り添いながら、お客様をお迎えしています。
夜が早いということは、それだけ「心の余白」が多いということ。
誰かと静かに食卓を囲み、月の明かりを眺めながら、明日のことを少しだけ話す――
それもまた、旅のかたちのひとつなのです。
Yufuin Luxury Villa – zakuro –
湯布院の静寂と、特別なひとときを
由布岳を望む三つのプライベートヴィラ──
Yufuin Luxury Villa – zakuro – は、
一日わずか三組だけが出会える、
静けさと贅沢が調和した大人の隠れ家です。
記念日やプロポーズ、夫婦水入らずの時間。
そして、忙しい日常を離れ、
心から寛ぎたい女性旅にも。
自家源泉かけ流しの温泉、四季を映す庭、
地元食材の朝食。
「二人だけの特別な湯布院」を約束します。
(時間 8:30–10:00・早朝出発はご相談可)
