
中国ツアー激減と春節の影|湯布院ZAKUROの静かな選択
政治が旅に影を落とすとき
愛知県蒲郡市にある観光ホテルで、1,000人規模の団体予約が直前キャンセルになったというニュースを見ました。
背景には、中国政府による“日本への渡航自粛”の呼びかけがあります。これにより、団体ツアーを中心に旅行会社からの大量キャンセルが発生し、ホテル側は大きな損失を抱える事態となっています。
「キャンセル料を免除してくれ」という要請もあったとのことで、宿泊業に携わる者として胸が詰まる思いでした。
政治的な緊張が、こうして人と人との出会いの場に直接影響を及ぼしてしまうことの痛みを、あらためて感じます。
湯布院ZAKUROはというと、ありがたいことに、以前より9割が日本のお客様です。
そのため今回のような影響はほとんどありません。
けれど湯布院全体を見渡せば、中国やアジア圏からの団体旅行に支えられてきた宿や店舗も少なくありません。今回のニュースは、決して他人事ではないと感じています。
インバウンドと静けさのはざまで
「外国人観光客が増えると、日本人のお客様が減る」
そんな話をよく耳にします。ですが、本当はそうではないと私たちは思っています。
ZAKUROにときおりいらっしゃる海外のお客様は、皆さんとても礼儀正しく、土地や文化を尊重される方ばかりです。
静かな時間を大切にし、言葉を尽くさなくても、こちらの心配りにそっと微笑みで応えてくださる——そんな品のある旅人に、何度も救われてきました。
ただ一方で、やはり私たちがこれから力を入れていきたいのは、日本のお客様との関係です。
都会で忙しく過ごす日々の中で、
「静かに過ごしたい」「人に会いすぎたくない」「言葉を交わさなくても癒されたい」
——そんな感覚を持つ日本人の方々にこそ、ZAKUROのような宿は寄り添えるのではないかと思うのです。
旅が“奪われない”ために
政治、経済、社会不安。
それらはいつだって、人々の「旅する自由」を制限しがちです。
でも、そんな時代だからこそ、人はなおさら“旅”を必要としています。
それは派手な観光ではなく、“自分の感覚を取り戻す時間”です。
旅が奪われないために、私たち宿の側にできることはなんでしょうか。
それは、一人一人のお客様に、心を込めて「おかえりなさい」と伝えること。
そして、どんな時代でも、変わらず安心して滞在できる場所を守り続けることだと考えています。
ZAKUROでは、季節の移ろいとともに、日々の営みを丁寧に積み重ねています。
食卓の一皿、風呂上がりのガーゼパジャマ、何気ない会話の余白。
それらすべてが、心の温度を取り戻す“旅の本質”であってほしいと思うのです。
「旅先は、やっぱりここがいい」と言ってもらえるように
春節の影響で、これからまたインバウンドの流れに変化があるかもしれません。
それでも私たちは、日本に暮らすお客様が「また行きたい」「また会いたい」と感じてくださる宿でありたいと思っています。
ZAKUROの灯りは派手ではありません。
けれど、そっと心を照らすような温かさで、お客様を迎えられる場所であり続けたい。
これからも、変わらない静けさと、変わらないおもてなしでお待ちしています。
Yufuin Luxury Villa – zakuro –
湯布院の静寂と、特別なひとときを
由布岳を望む三つのプライベートヴィラ──
Yufuin Luxury Villa – zakuro – は、
一日わずか三組だけが出会える、
静けさと贅沢が調和した大人の隠れ家です。
記念日やプロポーズ、夫婦水入らずの時間。
そして、忙しい日常を離れ、
心から寛ぎたい女性旅にも。
自家源泉かけ流しの温泉、四季を映す庭、
地元食材の朝食。
「二人だけの特別な湯布院」を約束します。
(時間 8:30–10:00・早朝出発はご相談可)
